モードとポジション


モード

ダイアトニック・スケール上の任意の度数をルートとする新たな音の並び(スケール)をモードと呼びます。多くのメロディーは多かれ少なかれこのモードに準拠しながら織られていて、そのモード固有の特性や雰囲気を帯びます。
以下に7種類のモードをダイアトニック・スケール上の度数順に説明します。
インターバルは隣同士の音程差を半音数で表したものです。続くカッコ内に例としてCキーの場合の並びを載せておきます。

  1. イオニアン
    インターバル
    2, 2, 1, 2, 2, 2, 1 (C, D, E, F, G, A, B)
    特性
    メジャー
    雰囲気
    長音階で明るく、メロディーやコードに非常に適しています。
    曲の例
    「Let It Be」, 「モーツァルト ピアノソナタ No.16」
  2. ドリアン
    インターバル
    2, 1, 2, 2, 2, 1, 2 (D, E, F, G, A, B, C)
    特性
    マイナー
    雰囲気
    長六度の短音階でメランコリックだが少し明るく、ケルト音楽やアイルランド音楽の多くで使用されています。
    曲の例
    「スカボローフェア」、「エリナーリグビー」
  3. フリジアン
    インターバル
    1, 2, 2, 2, 1, 2, 2 (E, F, G, A, B, C, D)
    特性
    マイナー
    雰囲気
    短2度を含み、暗く、曖昧で神秘的で、スペインのジプシースケールとも呼ばれます。
    曲の例
    「ハンガリーの狂詩曲 No.2」
  4. リディアン
    インターバル
    2, 2, 2, 1, 2, 2, 1 (F, G, A, B, C, D, E)
    特性
    メジャー
    雰囲気
    増三和音を含み、くねった方向性の欠如した感覚でジャズで広く使用されています。
    曲の例
    「シンプソンズのテーマ」
  5. ミクソリディアン
    インターバル
    2, 2, 1, 2, 2, 1, 2 (G, A, B, C, D, E, F)
    特性
    メジャー
    雰囲気
    短七度を含むブルーススケールとして機能し、ブルース、ロック、ブルース、ジャズ、ファンクなどの至る所で聞かれます。
    曲の例
    「ノルウェーの森」「ジョージー」「オール・ブルース」
  6. エオリアン
    インターバル
    2, 1, 2, 2, 1, 2, 2 (A, B, C, D, E, F, G)
    特性
    マイナー
    雰囲気
    ナチュラルマイナースケールとして機能し、短調の曲に適しています。
    曲の例
    「見張塔からずっと」
  7. ロクリアン
    インターバル
    1, 2, 2, 1, 2, 2, 2 (B, C, D, E, F, G, A)
    特性
    マイナー
    雰囲気
    減三和音を含んだ不安定な不協和音の音階構造になっています。
    曲の例
    「アーミー・オブ・ミー」

ここでの記載は概要です。詳細は音楽理論などの本を参照してください。


ポジション

10ホール・ハーモニカの1番ホールの吹音で出る音程の音名をラベル・キー(または単にキー)と呼びます。
ポジションは、ラベル・キーと異なるルート・ノートを想定してハーモニカ演奏をするためのモード割当です。 ベンディング奏法と組み合わせると、ラベル・キーとは異なるキーのスケールで演奏することができます。 例えばラベルキーが「C」のハーモニカは、セカンド・ポジションを割当てると「G」キーの演奏が出来ます。

ラベル・キーをそのままルート・ノートとするモード割当てがファースト・ポジションです。ポジションの序数が1つあがる毎に5度上の音程の音名をルート・ノートとするモードが割当てられます。
ポジションを選択すると演奏キーを変更できるだけでなく、そのポジションに割当てられたモードの特質にあった曲調が演奏し易くなります。

ポジションの序数とその時のモードは下記のようになります。

  • ファースト
    イオニアン
  • セカンド
    ミクソリディアン
  • サード
    ドリアン
  • 4th
    エオリアン
  • 5th
    フリジアン
  • 6th
    ロクリアン
  • 12th
    リディアン

注:7〜11thポジションはメジャースケール上にルート・ノートがないので通常使用されません。

GからF#までの各キーでのポジション毎のルート・ノートは、ファースト・ポジションから順番に下の表のようになります。

Key (1st) 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th 9th 10th 11th 12th
G D A E B F# D♭ A♭ E♭ B♭ F C
A♭ E♭ B♭ F C G D A E B F# D♭
A E B F# D♭ A♭ E♭ B♭ F C G D
B♭ F C G D A E B F# D♭ A♭ E♭
B F# D♭ A♭ E♭ B♭ F C G D A E
C G D A E B F# D♭ A♭ E♭ B♭ F
D♭ A♭ E♭ B♭ F C G D A E B F#
D A E B F# D♭ A♭ E♭ B♭ F C G
E♭ B♭ F C G D A E B F# D♭ A♭
E B F# D♭ A♭ E♭ B♭ F C G D A
F C G D A E B F# D♭ A♭ E♭ B♭
F# D♭ A♭ E♭ B♭ F C G D A E B

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